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在来種蕎麦こそばて何?

希少在来種蕎麦「こそば」て何?
 

ご年配の方は、ときどき「私が若いころに食べた昔の蕎麦は、今よりもっとおいしかった」と、お話しなさいます。おっしゃる通り今の蕎麦と昔の蕎麦は、味が違うのです。

『こそば亭』の蕎麦は、昔から妙高山麓で栽培され続けてきた希少在来種蕎麦「こそば」を使用しております。妙高山麓だけに、わずかに残る貴重なソバなのです。

昭和30年代には、まだ全国で、これに類似したソバはたくさん栽培されていたのですが、その後、品種改良されたソバにとってかわられ、今ではほとんど絶滅に近い状態になってしまいました。
品種改良されたソバは、「こそば」より粒が大きくて収穫量が多いため、同じ面積の畑で栽培しても、たくさん穫れます。だから農家は皆さん、改良品種を栽培するようになりました。でも、どちらのほうがおいしいかというと、その答えは、昔の蕎麦の味をご存知の、ご年配の方の言葉でわかります。

日本でも有数の豪雪地帯妙高山麓の土と気候が「こそば」の濃厚な味と香りを育てます。秀峰「妙高山」の雪解け水はミネラルをったぷり含み、ソバ栽培に最適な土壌を作ります。
農家の方に、大切に育てていただいた「こそば」を、『こそば亭』では自然の風で、ていねいに乾燥し、石臼をゆっくり回して製粉します。
 

 

●秀峰「妙高山」の雪解け水が美味しそばを育てます
 

そこに、この地方の里山に自生する「オヤマボクチ」という植物の繊維を、わずかに入れて手打ちします。こうすると、おいしい味はそのままに、食感だけをコントロールできるのです。
 

 


これが妙高山麓の、伝統的な食文化です。こそば亭の「ざるそば」の味は、豊かな自然に守られてきた、昔ながらの本当のそばのおいしさなのです。

妙高山麓の谷間の奥深くで、ひっそりと生き残っている、昔ながらの「こそば」のおいしさを、どうぞお楽しみください。

 

 ●全行程を作業で行う「手挽き猿蕎麦」


 

■「こそば」の実と一般的なソバの実の比較


 

「こそば」の実は一般的なソバの実の約3分の1程度の大きさしかありません。形もラグビーボールのような特徴的な形をしています。現在、国内で現存するソバの実の中でも、最も小さい部類に入るといわれています。

「こそば」は、小さい実の中に「旨味」「風味」をいっぱいに詰め込んでいます。



 

■希少在来種蕎麦 「こそば」 の生産拡大
 

「こそば」は味や食感が抜群に優れた蕎麦でしたが、収穫量が少なく自家消費用のためだけに生産されていたため、絶滅寸前の状況でした。

20年ほど前から当店と妙高地域の生産者が協力し、地域の活性化・中山間地域の荒廃農地の有効活用を目的に、「こそば」の生産拡大に着手しました。約10年の歳月をかけ生産量を徐々に拡大し、5年ほど前から生産が軌道に乗り始めました。

今後も、「こそば」のさらなる生産量拡大に向け当店と生産者が協力し、日々努力しております。
 

●妙高山麓に広がるこそばの畑